Neuroscience Needs Behavior: Correcting a Reductionist Bias | Neuron (2017)
John W. Krakauer, Asif A. Ghazanfar, Alex Gomez-Marin, Malcolm A. MacIver, David Poeppel
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神経活動を一度に大量に記録すれば神経回路がどのように行動を引き起こすを理解できるという風潮
Naa_tsure.icon実験に問題はあるものの、マイクロプロセッサーも理解できない
単に行動と神経活動を同時記録して、それらの相関や因果関係を推定すれば良いように思える
が、そもそもある行動にどの程度の神経回路が関わっているかを我々は知らない
これ以外にも、
一つの神経回路が複数種類の行動を引き起こす
異なる神経回路が同じ行動を引き起こす
などの問題点がある
鳥がなぜ空中を移動できるのかを例にとって考えてみると、
1. Computation(Why: Problem):飛行移動
2. Algorithm(What: Rule):羽ばたき
3. Imprimentation(How: Physical):翼
これを神経活動にのみ注目した研究の例と比べてみる
光遺伝学によって特定の神経細胞の活動を操作することで行動が変容したとする
これにより注目した神経細胞がその行動に影響を及ぼしていることがわかる(Imprimentationの一部)
ImprementationのレベルからAlgorithmやComputationを推測しようとしているので難しい
これは鳥の例で翼を破壊したことで飛行に関与していることがわかったといっているようなもの
神経に介入する前に緻密な行動実験を行うことで、AlgorithmやComputationレベルの仮説を持つべき
Naa_tsure.icon現代は神経細胞への介入・計測技術が発達しすぎてImprementationのレベルに引っ張られすぎている
trying to understand perception by understanding neurons is like trying to understand a bird’s flight by studying only feathers.
Naa_tsure.iconまあ実際には仮説のない研究というのはないと思うけど(データドリブンというのはあるが)
なぜ多細胞記録を行う必要があるのか
単細胞の活動からは観測し得ない、複数細胞を観測して初めてわかるマクロな振る舞いが存在するから
Naa_tsure.iconこの論理を踏まえると、
神経細胞だけでは観測し得ない、行動レベルで初めてわかる振る舞いも存在するのではないか
結局、行動そのものの緻密な観察が必要となる
因果関係の理解とAlgorithmやComputationレベルの理解は質的に異なる
回路レベルの必要十分の検証には総体としての枠組みがない
行動レベルの実験でこの枠組みを事前に作る必要があるのでは
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Description:「見たままを説明する、描写する」という意味(「なぜ」をを説明する語ではない)
Explain: 状況を具体的に説明したり、理由を明快・論理的に説明したりする